衛夫人字(読み)えいふじんじ(英語表記)Wibuin-cha

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「衛夫人字」の意味・わかりやすい解説

衛夫人字
えいふじんじ
Wibuin-cha

朝鮮高麗朝鮮王朝 (李朝) 期に使用した活字。朝鮮では高麗の高宗 (在位 1214~59) 時代に金属活字がすでに発明され,朝鮮王朝時代に入ってさらに大量に鋳造,利用された。太宗3 (1403) 年には鋳字所が設置され,銅活字癸未 (きみ) 字を鋳造した。世宗 16 (34) 年には精巧な甲寅 (こういん) 字 (衛夫人字) がつくられ,宣祖朝以後,幾度もこの字体改鋳,使用した。世宗 18 (35) 年には世界最初の鉛活字である丙辰 (へいしん) 字を鋳造した。壬辰の倭乱 (→文禄・慶長の役 ) によって,各種活字は大量に失われたが,その後,新たに多数の活字鋳造に努力し,書籍の普及に貢献した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android