表町(読み)おもてまち

精選版 日本国語大辞典 「表町」の意味・読み・例文・類語

おもて‐まち【表町】

〘名〙 表通りにある町。おもてちょう。⇔裏町
※俳諧・春の日(1686)「表町ゆづりて二人髪剃(かみそら)ん〈越人〉 暁いかに車ゆくすじ〈荷兮〉」

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日本歴史地名大系 「表町」の解説

表町
おもてまち

[現在地名]長岡市表町一―四丁目・ほん町一丁目・同三丁目・殿との町三丁目・大手通おおてどおり二丁目

文化二年(一八〇五)写延宝年中(一六七三―八一)の長岡町割絵図(安禅寺文書)では、長岡城大手口の外堀西側、七間幅の表町通を隔てて南から北へおもて一之町から表五之町が続き、背中合せ東西に家並を連ねる。西の裏手は道幅六間半で裏町が南北に延びる。家数は表一之町東側一七・西側一〇、表二之町東側一三・西側一一、表三之町東側一三・西側八、表四之町東側一二・西側一五、表五之町東側一〇・西側一五。

表町
おもてまち

昭和三年(一九二八)一月に成立した現在の苫小牧市の町名。苫小牧市の中心部に位置する。町名の由来は、国鉄苫小牧駅(現JR苫小牧駅)の駅前にあって、苫小牧の表玄関に当たることによる。同年に苫小牧町大字表町が誕生し(「町名設定地番改正調書」苫小牧市立中央図書館蔵)、同一九年の大字廃止字名改称により苫小牧町表町となった(「苫小牧町字地番整理調書」同館蔵)

表町
おもてちよう

京橋きようばし南詰、金井戸かないど島の東北の角地を占める。現在は東を中書ちゆうしよ島の西柳にしやなぎ町に接するが、江戸時代には宇治うじ川派流が中書島と金井戸島の間を環流しており、そこが埋立てられるまでは重要な浜地であった。町名は、京橋付近を中心とする埠頭の賑いを「表」と称したことによるらしい。寛文一〇年(一六七〇)山城国伏見街衢並近郊図には、表町の東側北部に突出地が描かれ、「舟番所」の文字が記されている。

表町
おもてまち

[現在地名]角館町表町上丁おもてまちかみちよう表町下丁おもてまちしもちよう

内町の一町で、城下町北端の所預屋敷の中央から南に走る通りの東西両側に侍屋敷が並ぶ。通りはほぼ町の中間で東西の通りと交わり、通りの北を表町上丁、南を表町下丁と通称する。さらに南は勝楽かつらく町となる。

表町
おもてちよう

上京区寺町通今出川上ル東側

寺町てらまち通東側の町で、南は今出川いまでがわ通。立本寺の跡地(→相生町

寛永一四年(一六三七)洛中絵図に「立本前町」、寛永以後万治以前京都全図に「立本寺前丁」、宝暦一二年(一七六二)刊「京町鑑」に「元立本寺跡表町」、天保二年(一八三一)改正京町絵図細見大成に「立本寺跡前丁」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の表町の言及

【岡山[市]】より

…1945年6月の空襲で市街地の大半が被災し,烏城(うじよう)(岡山城,戦後に再建)はじめ城下町のおもかげはなくなったが後楽園は江戸時代を代表する回遊式庭園として残っている。中心商店街は江戸時代以来の表町があるが,72年山陽新幹線が開通し,山陽本線,宇野線,津山線の分岐点にあたり,赤穂線,吉備線,四国と連絡する瀬戸大橋線の起点でもある。そのため岡山駅前地区が表町をしのぐ商業地区になった。…

※「表町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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