褄を取る(読み)つまをとる

精選版 日本国語大辞典 「褄を取る」の意味・読み・例文・類語

つま【褄】 を 取(と)

① 鎧(よろい)の袖または草摺(くさずり)の端を三角形に地色とは異なった色の糸や革でおどす。つまどる。
尺素往来(1439‐64)「肩白、斉濃(すそご)、或取妻」
② 裾(すそ)の長い着物の褄を手でつまみあげ裾をかかげる。竪褄(たてづま)をつまみあげて歩く。つまどる。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)三「七色声のごた交(まぜ)は、これ人間の遠吠にとりまかれたる参会の席に褄(ツマ)をも取られねば、ひきずる裾と引ずるお客」
芸者になる。左褄をとる。
※杏の落ちる音(1913)〈高浜虚子一一「お紫津が今一度褄を取って座敷に出て見るといふ事も好ましかった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「褄を取る」の意味・読み・例文・類語

つま・る

裾の長い着物の竪褄たてづま襟下)を手で持ち上げて歩く。「―・って歩く」
《芸者が左褄をとって歩くところから》芸者になる。左褄を取る。
「此の人、日本橋に―・って」〈鏡花・日本橋〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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