褐斑病(読み)かっぱんびょう

精選版 日本国語大辞典 「褐斑病」の意味・読み・例文・類語

かっぱん‐びょう ‥ビャウ【褐斑病】

〘名〙 キク病気一種。セプトリア菌による。病斑褐色ないし黒褐色円形または不整形で、下葉から逐次上葉に伝染。七月頃から発病し、秋に多い。

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デジタル大辞泉 「褐斑病」の意味・読み・例文・類語

かっぱん‐びょう〔‐ビヤウ〕【褐斑病】

農作物の、主に葉に褐色の斑点のできる病害病原菌はさまざま。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「褐斑病」の意味・わかりやすい解説

褐斑病
かっぱんびょう

植物の病気の一種で、おもに葉に褐色の斑点ができる。80種以上の作物に発生し、病原菌も多種で20以上の属に及んでいる。もっとも多いのは不完全菌のケルコスポラCercospora属菌によるもので、アズキインゲンマメササゲなどのマメ類、テンサイサトウダイコン)、ホップ、アスパラガスホウレンソウ、カーネーション、シャクヤクなどに発生する。ついでセプトリアSeptoria属菌(ツツジ、キク、ヒマワリなど)、アスコキータAscochyta属菌(ソラマメエンドウ、タバコなど)、フィロスティクタPhyllosticta属菌(ビワアオキなど)や子嚢(しのう)菌のミコスファエレラMycosphaerella属菌(ラッカセイダイズ、ナシなど)のほか、カバティエラKabatiella属菌(トウモロコシ)、コリネスポラCorynespora属菌(キュウリ、メロンなど)がある。発生がひどいと多数の病斑(びょうはん)ができて葉が枯れる。テンサイ、ラッカセイ、ソラマメ、ツツジ、キク、トウモロコシなどで被害が大きい。発生が多いときは、ジネブ剤、TPN剤(「ダコニール」)などの殺菌剤を散布して防ぐ。

[梶原敏宏]

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