襲国(読み)そのくに

精選版 日本国語大辞典 「襲国」の意味・読み・例文・類語

そ‐の‐くに【襲国】

九州南部の古地名。日向国(宮崎県)と大隅国(鹿児島県)とにまたがる山岳地帯とみられ、現在の鹿児島県曽於(そお)市を中心とする一帯にあたると考えられる。
書紀(720)景行一二年一二月「朕聞く、襲国(そのくに)厚鹿文(あつかや)迮文者(さかや)といふ者有り」
[補注]「書紀‐景行一二年一二月」では「襲国」を「くまそのくに」と訓んでいるもの(北野本南北朝期訓など)があり、また「古事記伝」のように「くま」を「そ」の形容と解する説もあるが、元来「くま」と「そ」とは、別の地名であったと考えられる。

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デジタル大辞泉 「襲国」の意味・読み・例文・類語

そ‐の‐くに【襲国】

九州南部の古地名。神話や伝説上の熊襲くまその本拠地で、現在の鹿児島県霧島市・曽於そお市を中心とする地域にあたるといわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の襲国の言及

【大隅国】より


【古代】
 西海道に属する中国(《延喜式》)。はじめ日向国の一部をなし,襲国(そのくに)ともよばれ,熊襲(くまそ)・隼人(はやと)の根拠地とみなされていた。割拠の豪族として大隅直(あたい)や曾君(そのきみ),加士伎県主(かしきあがたぬし),肝衝(きもつき)などの名があり,大隅隼人の首領大隅直の地盤と目される半島東南部肝属(きもつき)川一帯に高塚式古墳が少なくない。…

※「襲国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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