西トマス(読み)にし・とます

朝日日本歴史人物事典 「西トマス」の解説

西トマス

没年:寛永11.9.22(1634.11.12)
生年:天正18(1590)
ドミニコ会司祭。殉教者。長崎16聖人(1981年列福)のひとり。肥前平戸領生月(長崎県)出身。名は六左衛門。キリシタン西玄可の子。有馬セミナリヨ(神学校)に学ぶ。慶長19(1614)年の大追放(キリシタン禁教令)によりマカオに赴き,翌年ベトナムの布教に従事し,フェフォの日本人町で働く。元和2(1616)年,いったん日本に戻り,同6年ごろドミニコ会入会を希望してマニラに渡り,寛永3(1626)年司祭叙階。修道名トマス・デ・サン・ハシント。その後,台湾,琉球を経て同6年長崎に潜入。同11年長崎で逮捕。同年長崎西坂刑場で水責め,穴吊りによって殉教。両親も25年前,殉教している。<参考文献>「殉教者一族・生月の西家」(『キリシタン研究』21輯)

(宮崎賢太郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西トマス」の解説

西トマス にし-トマス

トマス=デ=サン=ハシント

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android