西ノ京(読み)にしのきょう

改訂新版 世界大百科事典 「西ノ京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京 (にしのきょう)

奈良県奈良市西部,往古の平城京右京,すなわち平城京を東西に二分する朱雀大路の西側の地域一帯をいう。秋篠川に沿い,薬師寺唐招提寺喜光寺西大寺などがある。西方西ノ京丘陵は,京都盆地西部から奈良盆地西部に南北につらなる丘陵で,五条山では江戸時代以来の赤膚(あかはだ)焼の陶器製作が行われている。西ノ京付近は古くより土器や瓦の生産地であり,興福寺大乗院に属した火鉢造座などがあり,近世,奈良風炉(ふろ)の産地として知られた。古都面影を残すこの地域には,近鉄西大寺駅,西ノ京駅を中心に多くの観光客が訪れる。また近鉄奈良線によって大阪市への交通至便の地であり,住宅地区として発展,東部の奈良旧市街地とは好対照をなす。
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百科事典マイペディア 「西ノ京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京【にしのきょう】

奈良市の西部,かつての平城京の右京にあたる地。近鉄橿原(かしはら)線が通じ,西ノ京駅付近に薬師寺唐招提寺がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西ノ京」の意味・わかりやすい解説

西ノ京
にしノきょう

奈良市西部の地区。平城京右京の地で,秋篠川西岸に広がる標高 100m前後の洪積層の西ノ京丘陵地域をさす。狭義には薬師寺のある奈良市西ノ京町をいう。古都の面影をよくとどめ情趣に富むが,近年は住宅地化が著しい。丘陵の南端郡山城跡がある。

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