西川扇蔵(4代)(読み)にしかわ・せんぞう

朝日日本歴史人物事典 「西川扇蔵(4代)」の解説

西川扇蔵(4代)

没年弘化2.3.2(1845.4.8)
生年:寛政9(1797)
江戸後期の歌舞伎の振付師。前名藤間勘助。下総国船橋(船橋市)の出身。江戸へ出て初代藤間勘十郎に入門。文政1(1818)年から中村座の振付師を勤める。同6年西川家養子となって4代目扇蔵を襲名。振付師の座付制度が緩んでいくなかで,文政9年には,中村・市村両座の振付師を兼ね,「両芝居を一人の振付,こいつァ豪儀だ」(「役者註真庫」)と評判された。歌舞伎十八番の「勧進帳」をはじめ,変化物で「藤娘」「供奴」「六歌仙」,常磐津の「うつぼ猿」など流行作を多く生んだ。町の「踊り子」と呼ばれる女性たちの師匠としても一大勢力を築き,日本舞踊西川流の繁栄の基盤を作りあげた。花柳流の流祖寿輔など多くの門弟を育てた。6代目まで歌舞伎の振付師を兼ねたが,以後,日本舞踊西川流の家元名跡として,平成の10代目におよぶ。

(古井戸秀夫)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西川扇蔵(4代)」の解説

西川扇蔵(4代) にしかわ-せんぞう

1797-1845 江戸時代後期の舞踊家
寛政9年生まれ。宗家西川流4代家元。藤間勘兵衛(3代)の高弟藤間勘助が,西川家の養子となって文政7年に襲名。振り付けの名人で,「勧進帳(かんじんちょう)」「靭猿(うつぼざる)」などをのこした。弘化(こうか)2年3月2日死去。49歳。下総(しもうさ)船橋(千葉県)出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android