西幸吉(読み)にしこうきち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西幸吉」の意味・わかりやすい解説

西幸吉
にしこうきち

[生]安政2(1855).4.8. 鹿児島
[没]1931.3.15. 東京
薩摩琵琶演奏家。士風琵琶と町風琵琶を融合して今日の薩摩琵琶の様式を樹立した池田甚兵衛門下で,名手徳田善兵衛に師事。西郷隆盛の私学校に学び,1877年に西南の役に従軍。 79年上京,初代文相森有礼に技量を認められ,80年文部省音楽取調掛に任命される。明治天皇皇后の御前演奏十数回に及び,薩摩琵琶の東京進出と普及に貢献した。勝海舟西郷の死をいたんで作詞した『城山』の作曲でも知られる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西幸吉」の解説

西幸吉 にし-こうきち

1855-1931 明治-昭和時代前期の琵琶(びわ)演奏家。
安政2年4月8日生まれ。徳田善兵衛に薩摩(さつま)琵琶をまなぶ。西南戦争で西郷隆盛にしたがい,陣中で琵琶を弾じる。のち上京し,明治天皇の前でしばしば演奏した。明治13年文部省音楽取調掛。作曲に勝海舟作詞の「城山」などがある。昭和6年3月15日死去。77歳。薩摩(鹿児島県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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