見仏(読み)けんぶつ

精選版 日本国語大辞典 「見仏」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぶつ【見仏】

〘名〙 仏語。仏の姿、または光明、あるいは浄土の荘厳のさまをまのあたりに見ること。
往生要集(984‐985)大文七「明念仏利益者、大分有七。〈略〉三現身見仏」 〔観念法門〕

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デジタル大辞泉 「見仏」の意味・読み・例文・類語

けん‐ぶつ【見仏】

仏語。仏の姿や光、あるいは浄土のさまを目のあたりに見ること。

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朝日日本歴史人物事典 「見仏」の解説

見仏

生年生没年不詳
鎌倉初期の僧。奥州松島の雄島に住み,法華経教義を人びとに授けた。法華浄土への往生を説いて,死後の不安を解消させた。死者の声を伝達することもあったらしい。空を飛ぶ超能力で知られる。「月まつしまの聖」「空の聖」の別称がある。北条政子は仏舎利2粒を見仏に寄進して,源頼朝の供養を依頼した。その書状(写)が瑞巌寺に現存する。平安末期の見仏は,かれの先代に当たる。この人も雄島に住み,法華経を読み,奇跡を現した。鳥羽院から姫松千本,本尊,器物を下賜されたという。

(入間田宣夫)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「見仏」の解説

見仏 けんぶつ

?-? 平安時代後期の僧。
陸奥(むつ)松島(宮城県)の雄島に庵(いおり)をむすび,12年間法華(ほけ)経を読誦(どくじゅ)。鳥羽(とば)天皇(1103-56)から仏像や器物をおくられたという。

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百科事典マイペディア 「見仏」の意味・わかりやすい解説

見仏【けんぶつ】

観仏三昧(ざんまい),念仏三昧によって,仏身をまのあたりに見,それにより自己の仏性を知ること。→見性成仏

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