見惑(読み)ケンナク

デジタル大辞泉 「見惑」の意味・読み・例文・類語

けん‐なく〔‐ワク〕【見惑】

けんわく」の連声れんじょう

けん‐わく【見惑】

連声れんじょうで「けんなく」とも》仏語仏教真理について迷いを覚えること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「見惑」の意味・読み・例文・類語

けん‐わく【見惑】

〘名〙 (「惑」は煩悩(ぼんのう)。見道で断ぜられる煩悩の意) 仏語。倶舎宗では、仏教の根本真理である四諦(したい)の理に迷う煩悩のこととし、唯識宗では、よこしまな教えを受けておこす後天的な煩悩をさし、天台宗では、修惑(しゅわく)とともに空観によって断ぜられる煩悩とする。けんなく。
※日蓮遺文‐盂蘭盆御書(1280)「見惑をだんじて初果聖人となり、修惑を断じて阿羅漢となりて」 〔天台四教義〕

み‐まど・う ‥まどふ【見惑】

〘自ハ四〙 (古くは「みまとふ」) 見て途方にくれる。見て判断に迷う。
万葉(8C後)二・一九九「み雪降る 冬の林に 飃風(つむじ)かも い巻き渡ると 思ふまで 聞きの恐(かしこ)く〈一云諸人の 見惑(みまとふ)までに〉」

けん‐なく ‥ワク【見惑】

〘名〙 (「けんわく」の連声(れんじょう)) =けんわく(見惑)

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