見込(読み)みこむ

精選版 日本国語大辞典 「見込」の意味・読み・例文・類語

み‐こ・む【見込】

[1] 〘他マ五(四)〙
① 見入る。見つめる。じっと見る。
浄瑠璃・文武五人男(1694)一「門の内、きっと見こふで立たりしを」
② めあてとする。あてこむ。また、目をつけてねらう。
※大学垂加先生講義(1679)「深う思入のある書様也。其思ひ入の所を見こまねば、死底にして終るぞ」
咄本・鹿の子餠(1772)借雪隠「此嶋はむざと小便のならぬ不自由、そこを見込(ミコ)んで茶屋の裏をかり、かし雪隠」
③ 有望だと思う。よいとみて思い定める。人のねうちを認める。
※浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松(1718)上「吾妻を見込んで頼むとは、いとしらしい婆さん」
④ 執念深くとりつく。みいる。
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「わしに見こまれたが因果ぢゃ」
⑤ 予想して勘定に入れる。あらかじめ考慮しておく。
※寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉三号「金を貸すには倒れを見込(ミコ)むこと西洋各国と雖も皆同し」
[2] 〘他マ下二〙 有望だと思う。
史記抄(1477)一二世間人主よりは高尊なる心があるそ、見こめたほとに魏の使と云て燕へいったそ」

み‐こみ【見込】

〘名〙
① 見た様子。みば。みえ。見かけ。外観。
※俳諧・詞林金玉集(1679)五「見こみよし花も奥ある家桜〈風虎〉」
※うつせみ(1895)〈樋口一葉〉一「家は何処までも奇麗にて見こみの好ければ」
② 目をつけてねらいとするところ。手に入れようとめざしているもの。めあて。
※浮世草子・世間娘容気(1717)「どこに見こみあって百にちかい婆々とは死んだ事ぞ」
先行きの予想。また将来の可能性や望み。あて。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「益々死戦を決するの有様あり。這は汝等の見込の違ひしか」
舞姫(1890)〈森鴎外〉「治癒の見込なしといふ」
④ 刀の鍔などの細工物で、入念な細工をした物。
※浄瑠璃・博多小女郎波枕(1718)中「鍔(つば)に見込の中脇差」
茶碗や鉢の内面
⑥ 建築で、部材側面

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「見込」の意味・わかりやすい解説

見込
みこみ

茶碗や鉢の内面の総称。口縁,胴,腰の内側。茶碗の見込の最下部は茶溜 (ちゃだまり) と呼ぶ。外面と違って特別な装飾を施さないが,鑑賞上の重要な見どころとなる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android