親敵討腹鞁(読み)おやのかたきうてやはらつづみ

改訂新版 世界大百科事典 「親敵討腹鞁」の意味・わかりやすい解説

親敵討腹鞁 (おやのかたきうてやはらつづみ)

黄表紙。2冊。朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)作,恋川春町画,1777年(安永6)刊。〈かちかち山〉の後日譚で,子狸に親の敵とねらわれた兎が義理に迫られて切腹し,狸はまた猟人を導いて討たせた狐の子狐に,猟人とともに討たれる。当時流行の料亭葛西(かさい)太郎などをとり入れ,梅が枝の手水鉢の芝居(《ひらかな盛衰記》)の趣向なども加えて,草双紙伝統の民話を黄表紙の滑稽味も豊かに当世化した作品。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android