親水コロイド(読み)シンスイコロイド

デジタル大辞泉 「親水コロイド」の意味・読み・例文・類語

しんすい‐コロイド【親水コロイド】

コロイド粒子と水との親和性が強いコロイド溶液電解質溶液を加えても凝析を起こしにくい。でんぷん寒天の溶液やゼラチンなど。親水性コロイドハイドロコロイドヒドロコロイド。→疎水コロイド

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精選版 日本国語大辞典 「親水コロイド」の意味・読み・例文・類語

しんすい‐コロイド【親水コロイド】

〘名〙 (コロイドはcolloid) 分散媒(粒子を溶かす液)が水であるコロイド。コロイド粒子が水と強く結合しているもので、疎水コロイドにくらべて粘度が高く、電解質によっても凝結しにくく、安定性がある。寒天・ゼラチン・澱粉(でんぷん)・膠(にかわ)などの水溶液はその例。⇔疎水コロイド

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百科事典マイペディア 「親水コロイド」の意味・わかりやすい解説

親水コロイド【しんすいコロイド】

粒子と水との親和性が強いコロイド溶液。タンパク質デンプン,ゼラチン,寒天などのコロイド溶液がこの例。表面張力は水よりも小さくて粘性が高いことが多い。電解質を少量加えても安定で,これはコロイド粒子が水の分子と結合(水和)していて粒子相互間の凝集が妨げられるためである。多量の電解質を加えると凝結を起こす。また,多量のアルコールなどを加えると疎水コロイドと同様に凝結しやすい状態になる。
→関連項目コロイド保護コロイド

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化学辞典 第2版 「親水コロイド」の解説

親水コロイド
シンスイコロイド
hydrophilic colloid

水を分散媒とするコロイドのうち,少量の電解質では凝集沈殿を起こさないものをいう.ゼラチン,寒天,デンプン,そのほか水溶性高分子などの溶液はその例である.水和性が大きいことによるとされている.しかし,多量の電解質やアルコールを添加すると水和性を失って,不安定になる.この種のコロイドは水との屈折率の差が小さいのでチンダル効果(Tyndall effect)も弱く,したがって限外顕微鏡で観察されにくいことが多い.[別用語参照]保護コロイド疎水コロイド

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「親水コロイド」の意味・わかりやすい解説

親水コロイド
しんすいコロイド
hydrophilic colloid

コロイド水溶液でコロイド粒子の親水性が大きく,その表面に強く水分子を吸着 (水和) しているコロイド。安定で少量の電解質を加えても疎水コロイドのように沈殿しない。多くの天然高分子,たとえば蛋白質,デンプン,ゼラチンなどの水溶液がこの種類に属する。親水コロイドでも多量の電解質や脱水剤を加えると沈殿する。これを塩析という。分散媒が水以外の液体で溶媒和の強いコロイド溶液の場合は親液コロイドという。

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改訂新版 世界大百科事典 「親水コロイド」の意味・わかりやすい解説

親水コロイド (しんすいコロイド)

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世界大百科事典(旧版)内の親水コロイドの言及

【コロイド】より

…巨大分子あるいは高分子の概念はコロイド粒子の構造解明の過程で生まれたともいえるのである。親水性高分子が水中に分散したコロイドは非常に安定で,少量の電解質の添加によって凝結することなく,親水コロイドhydrophile colloid,あるいは一般に親液コロイドlyophilic colloidと呼ばれる。
[粒子コロイドparticular colloid]
 分散コロイドdispersion colloidともいう。…

※「親水コロイド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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