観自在寺(読み)かんじざいじ

日本歴史地名大系 「観自在寺」の解説

観自在寺
かんじざいじ

[現在地名]御荘町平城

僧都そうず川河口の御荘湾と町並を南に望むやや小高くなった海岸段丘上にある。平城山と号し、真言宗大覚寺派。本尊薬師如来、脇仏として阿弥陀如来と十一面観音を安置する。四国八十八ヵ所の四〇番札所で、愛媛県では最初の札所となっている。

華頂要略」の寛喜元年(一二二九)に「土佐国観自在寺壱所」の記事がみえるが、当寺伊予と土佐の国境に位置したことから土佐国と記されたと思われる。これが寺名の初見と考えられる。

開基については「宇和旧記」に弘法大師が一夜にして七堂伽藍を建立したとの言伝えがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「観自在寺」の解説

観自在寺

愛媛県南宇和郡愛南町にある寺院。真言宗大覚寺派。山号は平城山、院号薬師院。807年、弘法大師(空海)による開創と伝わる。本尊は薬師如来。四国八十八ヶ所霊場第40番札所。

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世界大百科事典(旧版)内の観自在寺の言及

【御荘[町]】より

…北部には山地が広がり,西は宇和海に面するがリアス海岸をなす御荘湾が深く湾入,同湾に注ぐ僧都(そうづ)川沿いに平野が開ける。河口の段丘上にある平城(ひらじよう)が中心集落で,四国八十八ヵ所40番札所の観自在寺の門前町として開けた地である。当町域一帯は古くは延暦寺領観自在寺荘であったが,観自在寺が開発した寺領を,当時本寺であった延暦寺に寄進して荘園となったものとみられる。…

※「観自在寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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