角竜類(読み)つのりゅうるい(英語表記)ceratopsian

日本大百科全書(ニッポニカ) 「角竜類」の意味・わかりやすい解説

角竜類
つのりゅうるい
ceratopsian
[学] Ceratopsia

鳥盤目周飾頭類(しゅうしょくとうるい)(亜目)角竜類(下目)に属する、角をもった恐竜。この類の共通の特徴は、オウムの嘴(くちばし)のように、上顎(じょうがく)先端に角質で覆われた吻骨(ふんこつ)をもつことである。恐竜の最後のグループ、周飾頭類として、厚頭竜類とともに白亜紀の、約1億4550万年~6550万年前に生息した。その起源は白亜紀前期の、約1億3000万年~9960万年前に繁栄していたプシッタコサウルスPsittacosaurus近縁と思われる。これは全長2メートルの二肢歩行の恐竜で、厚みのあるくちばしと頬(ほお)の突起が特徴的であった。ネオケラトプス類(新角竜類)の始まりはプロトケラトプスProtoceratopsで、著名なものにトリケラトプスTriceratopsがある。このほかに1本角のモノクロニウスMonoclonius、頸(くび)のひだ飾りが6本棘(とげ)状に発達した1本角のスティラコサウルスStyracosaurus、穴のあいたひだ飾りを頸にもつペンタケラトプスPentaceratopsなどがある。これらは雌雄ともに同じ角をもつようなので、敵との戦いに使われたらしい。そしゃく筋肉が発達し、歯は垂直に35も連なる柱をつくっており、繊維の多い植物常食としていた。

[小畠郁生]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「角竜類」の意味・わかりやすい解説

角竜類
つのりゅうるい
Ceratopsia

爬虫類鳥盤目の一亜目。白亜紀後期の角のある恐竜の一群。小型のものから,大型で鼻の上に1本と目の上に2本,計3本の大きな角をもつトリケラトプス (三角竜) への進化系列があり,四脚歩行。頭骨は大きく,後頭部が発達し,ひさし状に肩をおおう。頭骨前部はオウムの嘴状の形をしている。モンゴルゴビ砂漠プロトケラトプスの卵の化石は有名。北アメリカ白亜系上部に多く産する。

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世界大百科事典(旧版)内の角竜類の言及

【くちばし(嘴)】より

…その働きは,鋭い角質の縁で食物にかみつき,かみ切ることにあるから,歯の代りをはたしていることになる。 化石爬虫類では,中生代の大型植食性恐竜の1グループだった角竜類がオウムのくちばしに似た鋭い顎骨を備えていた。これらはおそらく角質に覆われ植物質をかみ切るのに使われたとみられるが,カメと異なってこのくちばしの後の上下の顎骨には植物食に適した多数の歯が並んでいた。…

※「角竜類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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