角髪(読み)つのがみ

精選版 日本国語大辞典 「角髪」の意味・読み・例文・類語

つの‐がみ【角髪】

〘名〙
上代幼童の髪の結い方の名。髪を中央から左右に分け、両耳の上で丸く結ったもの。また、その髪に結った子ども総角(あげまき)。〔字鏡集(1245)〕
江戸時代、元服前の少年が結った角前髪(すみまえがみ)のこと。
狂歌・狂歌乗合船(1730)「祭とて鍛冶の小坊主つの髪に出立った体(なり)は鉄唐子哉」

び‐ずら ‥づら【角髪】

〘名〙 (「みずら(角髪)」の変化した語) 中古、少年の髪の結い方の一つ。髪を真中から左右に分けて耳の辺り輪形に束ねたもの。びんずら。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「うなゐはびづら結ひて」

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デジタル大辞泉 「角髪」の意味・読み・例文・類語

びん‐ずら〔‐づら〕【角髪】

《「みずら(角髪)」の音変化》
みずら」に同じ。
髪の毛
「雲の―、花のかんばせ」〈謡・楊貴妃

つの‐がみ【角髪】

揚巻あげまき」に同じ。
江戸時代、元服前の少年が結った角前髪すみまえがみ

び‐ずら〔‐づら〕【角髪】

みずら」に同じ。
「うつくしげなる童の、―ゆひたるが」〈宇治拾遺・一〇〉

み‐ずら〔‐づら〕【角髪/角子/×鬟/×髻】

上代の成人男子の髪の結い方。髪を頭の中央から左右に分け、両耳の辺りで先を輪にして緒で結んだもの。平安時代以後、主として少年の髪形となった。びんずら。びずら。

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