言に出ず（読み）コトニイズ

デジタル大辞泉

言ことに出い・ず

言葉に出す。はっきりと口に出す。
「―・でて言はばゆゆしみ朝顔のほには咲き出ぬ恋はするかも」〈万・二二七五〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こと【言】 に=出(い)ず［=出(ず)］

① はっきりと口に出して言う。

※万葉（８Ｃ後）一七・四〇〇八「朝霧の 乱るる心 許登爾伊泥(コトニイデ)て 言はばゆゆしみ」

※栄花（1028‐92頃）殿上の花見「ことにいでていさめきこえさせ給ふ」

② うわさが立つ。世人の口に出る。

※万葉（８Ｃ後）一四・三四六六「ま愛(かな)しみ寝(ぬ)れば許登爾豆(コトニヅ)さ寝なへば心の緒ろに乗りて愛(かな)しも」

出典　精選版 日本国語大辞典