言語工学(読み)げんごこうがく(英語表記)language engineering

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「言語工学」の意味・わかりやすい解説

言語工学
げんごこうがく
language engineering

言語集団内のコミュニケーションを円滑にすることを目的とする研究実践。一つの集団の内部でのコミュニケーションが妨げられる理由としては,社会階層分化や,一集団の多言語使用などが考えられるが,そういう場合に,どの言語や方言を採用するか,それをいかに普及させるか,そこから生じるかもしれない感情的対立をいかに解消させるか,などを考慮して,正常な言語生活を行き渡らせることなどが言語工学の課題となる。したがって,言語社会学表裏一体の関係にあり,言語政策成功に寄与しうる。

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世界大百科事典(旧版)内の言語工学の言及

【言語学】より

…言語と心理との関係,発話行動における心理などを考える〈言語心理学〉,幼児の言語習得過程を研究し,母語教育に役立てようとする〈幼児言語学〉(〈幼児語〉の項を参照)または〈発達言語学〉,言語障害を研究する〈言語障害学〉,母語や外国語の教育方法を研究する〈言語教育学〉(〈言語教育〉の項を参照),などがあり,また,〈言語社会学〉または〈社会言語学〉と呼ばれる分野は,言語の側の差異と人間集団の差異(階層のちがいとか出身地のちがいとか)の関係を多方面にわたって研究し,〈言語人類学〉は,言語の諸事象と文化人類学的諸事象の間の関係を調査・研究する。〈言語社会学〉には,言語政策などを扱う分野(〈言語工学〉とも呼ばれる)もはいり,また,複数の言語が話される国などの問題を扱う言語教育学的研究も含まれる。また,言語を数理的に扱う分野を〈数理言語学〉と呼ぶ。…

※「言語工学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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