証券代行業務(読み)しょうけんだいこうぎょうむ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「証券代行業務」の意味・わかりやすい解説

証券代行業務
しょうけんだいこうぎょうむ

株式会社が本来担当すべき株式に関する事務を一定の手数料を対価に専門の機関 (株式の名義書換代理人または証券代行機関と呼ばれ,一般に信託会社であることが多い) が代行する業務をいう。業務内容は株主名簿の名義書換事務を主体に,名簿の管理,株式に質権が設定された場合 (登録質) や信託譲渡があった場合の株主名簿・株券への表示,株券の再発行,配当金の計算・支払い,株主総会関係事務のほか,新株の発行,株式の分割・併合,株式または社債の転換事務などがある。この業務を委託会社側からみた場合は株式事務の季節的繁閑による人員配置や事務機械設置などを不要とする事務コスト低減と合理化,株主側からは証券代行機関利用による手続簡便性である。証券代行制度はアメリカのトランスファー・エージェンシーにならって名義書換代理人制度を導入した 1950年の商法改正により採用されたもので,54年からこの業務が開始され,その後急速に増大,特に 64年以後は証券取引所が新規上場の要件として会社に名義書換代理人の設置を義務づけたことにより,ますます盛んとなっている。

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