試斬(読み)ためしぎり

精選版 日本国語大辞典 「試斬」の意味・読み・例文・類語

ためし‐ぎり【試斬】

〘名〙 刀剣利鈍をためすために、罪人などを斬ること。また、そのためと称して、夜間通行人などを斬り殺したこと。また、広く、刃物切れ味をためすため物を切ってみること。ためし。
※雑俳・柳多留‐一三五(1834)「武に薫るためし切也蘭奢待」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「試斬」の意味・わかりやすい解説

試斬
ためしぎり

「様切」とも書く。刀剣の切れ味をためすために人などを斬ること。江戸時代は罪人の死体などを試物 (ためしもの) として用い,これを一名,据物斬 (すえものぎり) といった。特に将軍の刀などについては,儀式をもって御試御用 (おためしごよう) が腰物奉行の立会いのもとに行なった。試斬で将軍家に仕えた者に山野勘十郎,山田朝右衛門の一家があった。なお,禁止されていたが,辻斬 (つじぎり) によって新身 (あらみ) の試斬を行なった者もある。

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