論語古義(読み)ろんごこぎ

改訂新版 世界大百科事典 「論語古義」の意味・わかりやすい解説

論語古義 (ろんごこぎ)

論語》の注釈書。10巻。伊藤仁斎(1627-1705)の著で,その思想的立場と深く関係している。彼は《論語》を〈最上至極宇宙第一の書〉と尊重し,《孟子》をその補助として,この2書によってその古義学を構築した。《孟子古義》《語孟字義》と共に彼の代表的著作であるが,朱子学の静的立場と厳粛主義に反対したところに《論語》の注として独創的な特色が生まれている。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「論語古義」の解説

論語古義
ろんごこぎ

伊藤仁斎(じんさい)著の「論語」注釈書。10巻。1712年(正徳2)高弟などが編集・刊行。仁斎が半生をかけた研究の成果といえ,「論語」至上主義に立ち,孔門原義復元をめざす。「論語」テキストの前後各10編を,成立時期の異なる正・続関係にあるとした。道徳仁義説,性善説,天命説,鬼神卜筮(ぼくぜい)の排斥など,「論語」「孟子」の連続的発展という立場の解釈が特徴。「日本名家四書注釈全書」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「論語古義」の意味・わかりやすい解説

論語古義
ろんごこぎ

伊藤仁斎著。 10巻。正徳2 (1712) 年刊従来訓詁考証を排して,古義学の立場から,直接原文に即して『論語』の解釈を試みたもの。仁斎 37歳のとき起草されたが,生涯にわたって補訂が続けられた。

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