諸手船神事(読み)もろたぶねしんじ

精選版 日本国語大辞典 「諸手船神事」の意味・読み・例文・類語

もろたぶね‐しんじ【諸手船神事】

〘名〙 一二月三日(昔は陰暦一一月中の午の日)島根県松江市美保関町美保関の美保神社で行なわれる祭礼祭神は事代主(ことしろぬし)神と三穂津姫命。事代主神がその父大国主命に国譲りを勧め、みずから八重青柴垣を造り、船をこいで隠れたという伝説により行なわれる神事。船員船子らが樟(くすのき)をえぐったくり舟に乗り、海岸神官が擬装した事代主神に拍手をし櫂(かい)で六回港内をこぎ競う。これを見ればその年病災にかからないという。《季・冬》

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デジタル大辞泉 「諸手船神事」の意味・読み・例文・類語

もろたぶね‐しんじ【諸手船神事】

美保神社12月3日(古くは陰暦11月中の午の日)に行われる祭礼。事代主神ことしろぬしのかみが父大国主命に国譲りを勧め、八重青柴垣を造り船をこいで隠れたという伝説による神事で、諸手船漕艇などが行われる。 冬》

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世界大百科事典(旧版)内の諸手船神事の言及

【美保神社】より

…旧国幣中社。例祭の4月7日当日には事代主神の故事に由来する青柴垣神事,12月3日に天神の使者が降って国土奉献を議したことにちなむ諸手船(もろたぶね)神事が行われるほか,特殊神事が多い。【鎌田 純一】。…

【諸手船】より

…島根県八束郡美保関町美保神社の諸手船神事に用いられる刳(くり)舟。常時2艘を備えつけ,約40年ごとに造り替えるきまりで,現存のものは1980年に古形を踏襲して造ったもの。…

※「諸手船神事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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