(読み)もろ

精選版 日本国語大辞典 「諸」の意味・読み・例文・類語

もろ【諸】

[1] 〘語素多く名詞の上に付いて用いられ、いくつかある同種のもの、すべて、の意を表わす。
① (「両」「双」とも書く) 二つ一組になっている物の、両方双方の意を表わす。「もろ手」「もろ袖」「もろ肌」「もろ刃」など。
② すべてのもの、多くのもの、の意を表わす。「もろ人」「もろ心」「もろ穂」など。
③ 複数の人がいっしょにその動作をする意を表わす。「もろ声」「もろ寝」「もろ持ち」など。
※清原宣賢式目抄(1534)起請「評定衆裁許をまたずして、さしこへてうったうるを、上より御尋の時もろ一味申さるべきまで也」
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士「諸(モロ)羽織結城小袖

しょ【諸】

〘接頭〙 漢語の名詞の上に付けて、もろもろの、の意を表わす。多くの。いろいろの。
史記抄(1477)一八入院仏事ならば山門仏事等と云へば、諸仏事は其中にあるときこへたぞ」
ネオヒューマニズム問題文学(1933)〈三木清〉二「各々の世代の諸可能性に相応して形作られた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「諸」の意味・読み・例文・類語

もろ‐もろ【諸/諸々】

多くのもの。さまざまのもの。また、多くの人。「―の出来事」「―の事情
[類語]広い幅広い手広い広範広範囲多方面多角多面多岐さまざま各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩数数いろんなとりどり色とりどり百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的おしなべて一般全般に総じて概して多くおおむね大概普通通例通常一体に総体およそあまね雑多よろず各人各様十人十色千差万別マルチ

しょ【諸】[漢字項目]

[音]ショ(漢) [訓]もろ もろもろ これ
学習漢字]6年
〈ショ〉多くの。もろもろの。「諸君諸侯諸国諸派諸般
〈もろ〉「諸手諸肌
[名のり]つら・もり

もろ【諸】

[語素]名詞の上に付いて複合語をつくる。
(「両」「双」とも書く)二つの、両方の、双方の、の意を表す。「手」「矢」
多くの、すべての、の意を表す。「人」「神」
一緒の、の意を表す。「声」「寝」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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