講説(読み)こうせつ

精選版 日本国語大辞典 「講説」の意味・読み・例文・類語

こう‐せつ カウ‥【講説】

〘名〙 (「こうぜつ」とも) 講義し解説すること。特に仏教経典詩文、神の道などについて講義解説すること。こうぜち。
法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日「講説竟高座坐奉而、大御語為而、大臣香炉手擎而誓願
今昔(1120頃か)二八折節の僧共(そうく)・寺の講説など滋く行はせければ」

こう‐ぜち カウ‥【講説】

〘名〙 (「ぜち」は「説」の呉音) =こうせつ(講説)
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「かうぜちのところには、かうぜちのをさ。楽とては、つづみうちてあそびす」

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デジタル大辞泉 「講説」の意味・読み・例文・類語

こう‐せつ〔カウ‐〕【講説】

[名](スル)《「こうぜつ」とも》講義して説明すること。また、その説。特に仏典などについていう。こうぜち。
「その郷里小寺に於て神教を―し」〈中村訳・西国立志編

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改訂新版 世界大百科事典 「講説」の意味・わかりやすい解説

講説 (こうせつ)

仏教の法会に,経典の題名や内容の講経説経をすること。講経は多く竪精(りつせい)論義という形式をとり,経典の講義にディスカッションを付けるが,講説の場合は講経と説経で,説経は講経を平易にし,例話や比喩でおもしろくしたものである。すなわち講経は専門家の僧侶を対象とし,説経は素人の信者を対象とする。そのために説経には説経師という芸能者もできた。しかし講説はそこまでくだけたものでなく,経典の内容を平易に説くことが目的で,芸能性を目的にしたものではない。古代・中世寺院で寺中に講をつくるのは,講経の講であったが,民間の講は僧の講説からはじまり,やがて経典を講じ説経することもなくなった。
説経
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普及版 字通 「講説」の読み・字形・画数・意味

【講説】こうせつ

講義。

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