豆・荳・菽(読み)まめ

精選版 日本国語大辞典 「豆・荳・菽」の意味・読み・例文・類語

まめ【豆・荳・菽】

[1] 〘名〙
マメ科の植物、またはその種子
万葉(8C後)二〇・四三五二「道の辺の荊(うまら)の末に這ほ麻米(マメ)のからまる君を別(はか)れか行かむ」
② マメ科の植物のうち、果実や種子などを食用にするものの総称。大豆、小豆空豆豌豆など。
※枕(10C終)一〇八「まめ一もり、やをらとりて、小障子のうしろにて食ひければ」
③ 特に、大豆をいう。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「腹の中に稲生れり。陰(ほと)に麦及び大豆(マメ)・小豆(あつき)生れり」
④ 女陰。また、陰核。転じて、女をいう。
※浮世草子・傾城色三味線(1701)江戸「太鼓打てば大豆(マメ)買気になり」
⑤ 「まめどん(豆殿)」の略。
※歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)六幕「豆(マメ)でも座敷へ寄越せばいいに」
⑥ 「まめぞう(豆蔵)②」の略。
※洒落本・辰巳婦言(1798)四つ明の部「いろんなことを云なはるねヱ、きついお豆だ」
⑦ 肉料理で、牛・豚などの腎臓(じんぞう)をいう。
[2] 〘語素〙 名詞の上に付いて、それが小さいことや子どもであることをあらわす。「豆電球」「豆台風」など。〔大増補改訂や、此は便利だ(1936)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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