精選版 日本国語大辞典 「豆満江」の意味・読み・例文・類語
とまん‐こう ‥カウ【豆満江】
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朝鮮半島の東北部,朝鮮と中国およびロシアの国境をなす川。名称は女真語に由来し,中国では図們(ともん)江と表記する。白頭山に水源を発し,西頭水,琿春河などの支流を集めながら東流,西水羅半島の東方で日本海に注ぐ。長さは521kmあり,流域面積は中国側3万3168km2,朝鮮側1万0513km2あり,ロシア側にはごくわずかしかない。高麗時代まで流域一帯は女真族の勢力下にあったが,李朝初に豆満江を境に南側が朝鮮領に組み込まれた。李朝末には朝鮮人の北岸への移住が頻繁に起こり,白頭山定界碑(1712)における〈土們江〉の解釈をめぐって清朝との間に間島問題(間島)が発生した。西頭水で小規模な水力発電が行われているが,豆満江の水資源はほとんど開発されていない。西頭水~会寧の間で流木が行われ,豆満江材とよばれるが,冬期は結氷する。流域の茂山,阿吾地一帯は朝鮮随一の鉄鉱,石炭資源の埋蔵があり,これらを原料として日本海沿岸の清津,金策などに金属,化学工業が発達している。1990年に中国・ロシア接境地帯を共同で開発しようという構想が提唱され,世界的な関心を集めた。北朝鮮はこの地域に〈羅津・先鋒自由経済貿易地帯〉を設置し,開放戦略の拠点として開発している。
執筆者:谷浦 孝雄
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北朝鮮北部で中国とロシアとの国境を流れながら日本海に注ぐ大河。中国では図們江(ともんこう)とよぶ。全長520.5キロメートル、流域面積1万0513平方キロメートル。白頭山の天池に源を発し、東方に流れて北朝鮮と中国との国境を界しながら小紅端水、西頭水を入れ、会寧(かいねい)で会寧川を入れている。穏城(おんじょう)で中国領より南流している海黄河を合流し、南方に向かって曲流しながら新乾で五竜川を入れ、水量を増して大河となり、花崗(かこう)岩地帯を過ぎて下流の沖積層の平野を経て日本海に注いでいる。流域内の地質と資源は、西頭水以西は玄武岩が広がり、中流は花崗岩、花崗片麻(へんま)岩からなっている。会寧より下流の領域、穏城、古乾原(こけんげん)、阿吾地(あごち)などの沿岸地域は、第三紀層の褐炭埋蔵地で、北朝鮮の褐炭生産の80%以上を産出している。また上流部の茂山は11億トンの磁鉄鉱を埋蔵している。林産資源も豊富で、林野地は全流域の94%を占めている。可航距離は河口より85キロメートル。
[魚 塘]
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