豆男（読み）まめおとこ

精選版 日本国語大辞典

まめ‐おとこ ‥をとこ【豆男】

〘名〙

① 節分や大晦日の時、豆まきをする男。ふつう、その年の干支(えと)に当たる男から選ぶ。年男(としおとこ)。

※俳諧・玉海集（1656）付句「たれか扨いひならはせるまめ男 節分に寝た中々の事〈可頼〉」

② からだの小さな男。こおとこ。

※雑俳・とはず口（1739）「かあいがるめしつぶ様かまめおとこ」

③ (女性の事にまめ（忠実）であるの意をもたせ) 色好みな男。好色の男。

※俳諧・犬子集（1633）一一「あなかしましくならす横笛 しのびゆく夜半に足手もまめ男〈重頼〉」

④ 豆右衛門のように、小さい体で閨房中にはいりこみ、情事を経験、見聞する浮世草子の主人公の通称。また、彼らが登場する浮世草子類。

※随筆・独寝（1724頃）下「たとへばじばん又内が天窓(あたま)に紙をはられしと云事をまめ男にかきしごとくならん」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

まめ‐おとこ〔‐をとこ〕【豆男】

１ 節分の豆まきをする男。年男としおとこ。
２ からだの小さい男。
３ 《「忠実男まめおとこ」と同音であるところから》好色な小男。また、その男を主人公にした浮世草子類。

出典　小学館