豊作(読み)ほうさく

精選版 日本国語大辞典 「豊作」の意味・読み・例文・類語

ほう‐さく【豊作】

〘名〙 農作物収穫が多いこと。作物のできのよいこと。満作。⇔凶作。《季・秋》
牧民金鑑‐五・御取箇・宝暦九年(1759)七月一日「何年にも無之至極豊作之聞有之候条」

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デジタル大辞泉 「豊作」の意味・読み・例文・類語

ほう‐さく【豊作】

作物がよく実って収穫が多いこと。満作。 秋》凶作不作
(比喩的に)よい作品が多いこと。「昨年はミステリー豊作の年だった」
[類語]満作豊熟豊穣

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改訂新版 世界大百科事典 「豊作」の意味・わかりやすい解説

豊作 (ほうさく)

気象が良好で,作物がよく実ること,実りのよいことを豊作といい,そういう年を豊年といっているが厳密な定義はない。農林水産省平年収量を100とし,作況指数が102~105の場合を〈やや良〉,106以上の場合を〈良〉として,毎年公表しているが,古くから一般に用いられている豊作という官庁用語はない。しかし従来の慣用からすれば,102以上の場合を豊作(並の豊作ともいう),106以上の場合を大豊作としている。豊作は生産者,消費者にとって喜ばしいことであるが,ときに生産者にとって,はなはだ困ることがある。例えば,1933年はイネ生育にとってまれなほど気象が良好で,大豊作となった。しかし,1931,32年と凶作がつづき,当時の農家の経済的2大支柱であった米,繭の価格が大暴落していたので,米を金にするために売り急ぎ,米価はいっそう暴落した。農家,とくに小作農,ついで自作農は貧乏どん底に陥り,食べるにもこと欠き,豊作貧乏豊作飢饉という新用語が盛んに用いられた。最近でも,果実,野菜が豊作で,価格が暴落し,輸送資材費なども支払えない例がある。
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普及版 字通 「豊作」の読み・字形・画数・意味

【豊作】ほうさく

豊年。

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