貨郎児(読み)かろうじ(英語表記)Huò láng ér

改訂新版 世界大百科事典 「貨郎児」の意味・わかりやすい解説

貨郎児 (かろうじ)
Huò láng ér

中国の宋・元(960-1367)時代に流行した民間の語り物。貨郎または貨郎児とは,もと婦人用の小間物や日用雑貨などを売る行商人のことであるが,その物売り声に由来する芸能をもその名で呼ぶ。その曲調は現在伝わらないが,元代の雑劇や《水滸伝》に描写が見え,肩に天秤棒をかつぎ手に振り鼓を持って街を流し歩いたらしい。なお宋および明の宮廷絵画のジャンルの一つに〈貨郎図〉があり,もっぱらその行商の様子を描いている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android