貪愛(読み)トンアイ

デジタル大辞泉 「貪愛」の意味・読み・例文・類語

とん‐あい【貪愛】

[名](スル)《「どんあい」とも》
むやみにほしがること。
金銭を―する人の目よりこれを観れば」〈中村訳・西国立志編
仏語対象に執着すること。貪。貪欲。「貪愛瞋憎しんぞう

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精選版 日本国語大辞典 「貪愛」の意味・読み・例文・類語

とん‐あい【貪愛】

〘名〙 (「どんあい」とも)
① 貪(むさぼ)り欲すること。きわめて好むこと。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)一「貪愛(トンアイ)(〈注〉ムサホリアイスル)をもて、みつからおほひ、盲冥にしてみるこころなし」 〔春秋左伝‐僖公一四年〕
② =とん(貪)
※真如観(鎌倉初)「貪愛(トンアイ)を起して、生々世々互に恩愛のきづなと成ぬ」 〔観経疏‐散善義〕

とん‐ない ‥アイ【貪愛】

〘名〙 (「とんあい」の連声) ⇒とんあい(貪愛)

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普及版 字通 「貪愛」の読み・字形・画数・意味

【貪愛】たんあい

他人の恵みをむさぼる。〔左伝、僖十四年〕災ひを幸ひとするは不仁なり。愛を貪るは不なり。を怒らすは不義なり。

字通「貪」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の貪愛の言及

【愛】より

…前者を,〈慈〉と訳すこともある。 梵巴〈ラーガrāga〉:〈愛・愛染・貪愛〉。〈心が真赤に染まるような,激しい性愛〉のことで,仏教はその規制を説いたが,後代のタントラ的密教においては,〈男女交合〉を〈涅槃(ねはん)〉〈仏道成就〉とさえみなすようになった。…

※「貪愛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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