精選版 日本国語大辞典 「貪」の意味・読み・例文・類語
むさぼ・る【貪】
〘他ラ五(四)〙 (「ぼる」は「欲る」の意という)
① 欲深く物をほしがる。飽きることなく望み続ける。貪欲に自分のものとする。
※書紀(720)舒明即位前(北野本訓)「然れども我豈天下を餮(ムサホラ)むや」
② 欲ばって食べる。がつがつして食べる。むさぼり食う。
※鉄眼禅師仮名法語(1691)二「淵の魚の餌をむさぼるに似たり」
とん【貪】
※秘蔵宝鑰(830頃)中「第五〈略〉見為レ因貪為レ縁」
② (形動) むさぼること。物をほしがること。また、そのさま。
※幸若・しつか(室町末‐近世初)「一たむのとむにふけってせっしゃうをするぞはかなき」
むさぶ・る【貪】
〘他ラ四〙 =むさぼる(貪)
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「濫(みた)りかはしく殊の礼を叨(ムサフ)りて」
※六物図抄(1508)「人が、長大にするほどに、我も長大に増めせうと云て、むさぶり競也」
むさぼり【貪】
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「鄰の財を数へむ従(より)は、曾(むかし)の貪(ムサボリ)に替へてむに如かじ」
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