貫目(読み)かんめ

精選版 日本国語大辞典 「貫目」の意味・読み・例文・類語

かん‐め クヮン‥【貫目】

〘名〙
① =かん(貫)(一)(二)①〔日葡辞書(1603‐04)〕
塵劫記(1627)上「銀一貫目、本銀へ五割にして、十年の間に十度渡して、何程に成ると云ふ時に」
※歌舞伎・毛抜(1742)「干物(ひもの)の代が六〆(クヮンメ)の余りいった」
② =かん(貫)(一)(二)③〔ロドリゲス日本大文典(1604‐09)〕
※小学教授書(1873)〈文部省〉「天秤の目に、五つあり。十毛を、一厘といひ、〈略〉千匁を、一貫目と、いふなり」
③ 重さ。重量。めかた。
※洒落本・通気粋語伝(1789)三「ゑらいかんめの旦那じゃナア」
④ 身に備わった威厳重み貫祿。人品。
※滑稽本・狂言田舎操(1811)下「外(ほか)は外、此方等(こちら)は貫目(クヮンメ)で乗るのぢゃ」
最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉六「稍宏量にして仁心ある処よりして貧人の倚信を得。其言は貧窟間に多少の貫目(クヮンメ)を持ちて聴ゆるものなりしが」
⑤ 数字の三をいう、陶磁器商人の符丁

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デジタル大辞泉 「貫目」の意味・読み・例文・類語

かん‐め〔クワン‐〕【貫目】

かん1」に同じ。「体重が一五貫目になる」
物の重さ。目方。「小包貫目を量る」
身に備わった威厳。貫禄
芸者の位も上り―もついた」〈荷風腕くらべ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の貫目の言及

【貫】より

…この名称は銅銭1000枚の穴に緡(びん)(鏹(きよう)ともいい,ぜにざしのこと)を貫いて束ねたことに由来し,日本でも唐銭,宋銭の流入に伴って室町時代前後から用いられるようになった。江戸時代になると通貨は基本を異にする金,銀,銭の3貨に分かれ,基本単位は金貨が小判の両(=4分=16朱),銀貨が匁,銭貨が文であり,銀貨1000匁を1貫目,銭貨1000文を1貫文と呼んだ。このうち銀貨は秤量(ひようりよう)通貨であり,単位の匁や貫目は質量(目方)の単位である。…

※「貫目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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