責道具（読み）せめどうぐ

精選版 日本国語大辞典

せめ‐どうぐ ‥ダウグ【責道具】

〘名〙

① 罪人などを拷問するのに用いる道具。また、相手を苦しめるために使う道具。責具(せめぐ)。

※ぎやどぺかどる（1599）上「かかる責道具となりたる物までも、さんとの御身にふれたるが故に、貴ませ給ふをもて」

※浮雲（1887‐89）〈二葉亭四迷〉一「母親と聞いて文三の萎れ返るを見てお政は好い責道具を視付けたといふ顔付」

② 遊里などで、客が心付けなどを出さざるをえないようにしむけた贈物など。

※洒落本・水月ものはなし（1758）妓有嫗「此方からやらずと、大抵隔番くらいに、自分の方からせめ道具(ドウグ)と号(なづけ)て三四百が肴を持て出」

③ 情交の際に用いる道具類。

※浮世草子・好色一代男（1682）八「犢鼻褌(ふんどし)百筋・のべ鼻紙九百丸・まだ忘れたと丁字の油を弐百樽〈略〉其外色色品品の責道具(セメダウグ)を」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

せめ‐どうぐ〔‐ダウグ〕【責（め）道具】

拷問に使う道具。また、相手を苦しめるのに使う道具。責め具。

出典　小学館