賀茂六郷(読み)かもろくごう

日本歴史地名大系 「賀茂六郷」の解説

賀茂六郷
かもろくごう

上賀茂神社の南部から北西部にかけて広がる地域で、古代・中世に社領とされた河上かわかみ大宮おおみや小山こやま岡本おかもと・中村・小野おのの六郷をいう。賀茂六郷の起源は寛仁元年(一〇一七)にまでさかのぼる。同年一一月に後一条天皇が賀茂社に行幸して愛宕おたぎ郡の大部分を寄進(「日本紀略」同月二五日条)、上賀茂社には賀茂・小野おの錦部にしごり大野おおのの四郷が宛行われた(同二年一一月二五日「太政官符」類聚符宣抄)。「賀茂注進雑記」は四郷のうち、賀茂郷はのちの河上郷に、錦部郷岡本郷にあたると推定する。また清行文書は「上古ハ賀茂・小野・錦部・大野郷ナリ、然ルニ賀茂郷ヲ分チ河上・岡本郷トシ、錦部郷ヲ改メテ中村郷トシ、大野郷ヲ大宮小山郷ニ分ケ、岡本・河上郷ノ境ハ大田社ヲ限ル」と記す。

中世の賀茂六郷で注目されるのは、往来田とよばれる独自の土地制度で、神社の田地を氏人が分割所有し、氏人が死去すると田地を神社に返し、別の氏人に宛行う。田地が神社と氏人との間を往来するので、この名がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「賀茂六郷」の意味・わかりやすい解説

賀茂六郷【かもろくごう】

上賀茂六郷

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