資金運用表(読み)しきんうんようひょう(英語表記)statement of application of funds

日本大百科全書(ニッポニカ) 「資金運用表」の意味・わかりやすい解説

資金運用表
しきんうんようひょう
statement of application of funds

企業の資金源泉使途に分け、一定期間の資金の増減変化の状況を示す計算書。その作成は、相前後する二つの期の貸借対照表の各項目の増減額を基礎とし、それに必要な修正を加えて行われる。資金運用表の目的は、資金の源泉と使途を明らかにすることであるが、それを通じて財務流動性(支払い能力)の分析を可能にし、さらには資金計画とくに運転資本計画(予算)の作成に寄与することをも含んでいる。簿記原理により、資金源泉の合計額と資金使途の合計額とは一致しなければならない。近年、資金運用表を財務諸表に加えて開示することが、国際的慣行となりつつある。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資金運用表」の意味・わかりやすい解説

資金運用表
しきんうんようひょう
statement of application of funds

企業が取得した資金の源泉とその使途を示した表。資金適用表ともいい,通常経営分析に用いられる。比較すべき一定期間の貸借対照表勘定科目について,その当初有高と最終有高の差を資金の源泉と運用に分類,整理し,この2つを対照表示する。これによれば商品や製品の販売,借入れ,増資などによってどれだけの資金を取得したか,他方原材料や商品などの資産の購入,負債の支払いなどによってどれだけの資金を支出したかがわかり,資金の調達,運用の適正さを判断できる。

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