賤機山(読み)しずはたやま

精選版 日本国語大辞典 「賤機山」の意味・読み・例文・類語

しずはた‐やま しづはた‥【賤機山】

静岡市葵区にある山。南側のふもとに浅間(せんげん)神社がある。静岡の名の由来地。

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デジタル大辞泉 「賤機山」の意味・読み・例文・類語

しずはた‐やま〔しづはた‐〕【賤機山】

静岡市北部の山。麓に浅間せんげん神社がある。標高171メートル。

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日本歴史地名大系 「賤機山」の解説

賤機山
しずはたやま

安倍川の左岸沿いに南北に細長く半島状に延びる山地。昭府しようぶ町と大岩おおいわの境にあたる山頂は標高一七二・九メートルで、その一帯には室町時代の賤機山城跡が認められる。南端部は浅間せんげん(一四〇・一メートル)とよばれ、賤機山古墳があり、山麓静岡浅間神社、東麓に臨済りんざい寺が存在する。古来、歌枕とされている(「八雲御抄」など)。長治二年(一一〇五)に堀河天皇に奏覧した諸国の名所を詠んだ堀河院御時百首和歌(類聚百首和歌)のうちに、藤原公実が「時雨の雨まもなくしふれはするかなるしつはた山も錦おりかく」と詠んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「賤機山」の意味・わかりやすい解説

賤機山
しずはたやま

静岡市街地の北方、葵区(あおいく)宮ヶ崎町の静岡浅間神社(せんげんじんじゃ)から北方に延びる山稜(さんりょう)の一峰。標高171メートル。この半島状の山地はアルカリ火山岩系の玄武岩類からなり、山地の東側には日本の地質構造上有名なフォッサマグナの西縁にあたる糸魚川‐静岡構造線(いといがわしずおかこうぞうせん)が南北に走る。周辺は臨済寺(りんざいじ)、賤機山城跡、浅間神社、賤機山古墳などの旧跡に富み、山腹斜面は茶園やミカン園となっている。登山道や浅間神社はサクラの名所となっている。静岡の地名は賤機山、賤ヶ丘に由来し、1869年(明治2)府中改称。静岡駅前から浅間神社までバス10分、下車後山頂まで徒歩20分。

北川光雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「賤機山」の意味・わかりやすい解説

賤機山 (しずはたやま)

静岡市の旧市(平成の大合併以前)市街地を南北にのびる狭長な山稜の南部にある山。標高171m。東斜面には糸魚川-静岡構造線がとおって静岡平野に没している。1411年(応永18)今川氏が稜線に賤機山城を築いた。山頂には賤機山公園があり,旧市市街,日本平,富士山,伊豆半島などを望むことができる。東麓には今川義元の開山した臨済寺,南麓に賤機山古墳,浅間(せんげん)神社がある。賤機山の別名〈賤ヶ丘〉は静岡の地名の由来となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賤機山」の意味・わかりやすい解説

賤機山
しずはたやま

浅間山とも呼ばれる。静岡県中部,静岡市街地北部,竜爪山地から半島状に突出した山地の南端の山。標高 172m。古第三紀のアルカリ岩系玄武岩や粗面岩から成っている。山麓には,静岡浅間神社や古刹臨済寺 (庭園は名勝) ,賤機山古墳 (史跡) などがある。山頂は富士山,日本平,駿河湾,静岡中心市街地を一望する景勝地。桜の名所としても知られる。

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