贛江(読み)カンコウ(英語表記)Gàn jiān

デジタル大辞泉 「贛江」の意味・読み・例文・類語

かん‐こう〔‐カウ〕【贛江】

中国江西省中部を北流する川。南嶺山脈に源を発して鄱陽はよう湖に注ぎ、さらに揚子江連絡。長さ758キロ。カンチァン。

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精選版 日本国語大辞典 「贛江」の意味・読み・例文・類語

かん‐こう ‥カウ【贛江】

中国、江西省を北東に流れ、鄱陽湖に注ぐ川。長江支流で、南嶺山脈に発する章水と貢水とが贛州で合流してから下流をいう。贛水。贛川。

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改訂新版 世界大百科事典 「贛江」の意味・わかりやすい解説

贛江 (かんこう)
Gàn jiān

中国,長江(揚子江)の大支流の一つ。東南山地の武夷山脈,羅霄(らしよう)山脈,大庾(だいゆ)嶺に源を発し,北流して広大な沖積平野を形成しながら鄱陽(はよう)湖に注ぐ。その河口部には内陸三角州が発達している。流域面積は8万1600km2,江西省の大半を含む。長さは758km。源流は東西に分かれ,東を貢水,西を章水といい,合した本流も両字を合して贛としたという。合流地点にある都市が贛州である。贛州より下流は,万安~吉安間には〈十八灘の険〉と呼ばれるような難所もあるが,遡航が可能で,清江(樟樹鎮)で袁江を合してよりはとくに水運が発達し,吉安,南昌を経て鄱陽湖を渡り,九江で長江水運と結びつく。また上流の谷は山地に深く入りこみ,隣接地域との交通路を開いている。なかでも章水の源流,大庾嶺の梅嶺関を越える道は,広東と北方を結ぶ最も重要な陸路であった。海外との通商が広州のみで行われていたときは,交易物資の輸送はすべてこの道により,贛州より水運を利用した。贛州はその基地として発達した都市である。今も江西南部は鉄道が未発達で,贛江水運の果たす役割は重要である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「贛江」の意味・わかりやすい解説

贛江
かんこう / カンチヤン

中国、江西(こうせい)省の最大の川。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))水系に属する。源流は二つあり、東源の貢水(こうすい)は武夷(ぶい)山脈に、西源の章水は南嶺(なんれい)の一つの大庾嶺(だいゆれい)に源を発し、贛州(かんしゅう)で合流する。贛の字は源流の章水と貢水の2字を合成したものである。贛江は合流後、北流し、吉安(きつあん)、樟樹(しょうじゅ)、豊城(ほうじょう)を経て南昌(なんしょう)に至り、十数本の分流に分かれて鄱陽湖(はようこ)に入る。全長758キロメートル。流域面積8万平方キロメートル余で、江西省のなかば以上を占め、贛州より下流は航行可能である。この川に沿って京九線(北京(ペキン)―九竜(きゅうりゅう)〔香港(ホンコン)〕)が通っている。

[河野通博 2019年6月18日]

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