赤十字社(読み)せきじゅうじしゃ

精選版 日本国語大辞典 「赤十字社」の意味・読み・例文・類語

せきじゅうじ‐しゃ セキジフジ‥【赤十字社】

戦時に、敵味方の区別なしに傷病者を救護する目的で設立された国際的協力組織。戦時に限らず平時における病院経営、疾病の予防、衛生思想の普及などの人道的事業に奉仕している。赤十字国際委員会を本部とし、各国赤十字社を支部とする。クリミア戦争におけるイギリス婦人ナイチンゲールの活動に始まり、デュナン提唱により一八六四年、ジュネーブスイスをはじめ世界一六か国間に締結された赤十字条約ジュネーブ条約)によって創設。日本では明治一〇年(一八七七)の西南の役に佐野常民らが設けた博愛社が、同二〇年日本赤十字社略称日赤)と改称、大正八年(一九一九)に赤十字社連盟に加わった。赤十字。

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デジタル大辞泉 「赤十字社」の意味・読み・例文・類語

せきじゅうじ‐しゃ〔セキジフジ‐〕【赤十字社】

赤十字条約に加盟した各国に1社ずつ設置された民間医療・社会事業組織。各国赤十字社は連合体として、赤十字社連盟を組織。RC(Red Cross)。→日本赤十字社

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百科事典マイペディア 「赤十字社」の意味・わかりやすい解説

赤十字社【せきじゅうじしゃ】

1863年制定の赤十字規約および1864年調印された赤十字条約に基づき各国に創設されている国家的救護機関。デュナンの提唱に基づくもので,当初は戦時の傷病者救護のみが任務だったが,第1次大戦後は平時の災害・疾病の救護・予防や衛生思想の普及活動も行っている。国際的な赤十字運動の組織として赤十字国際委員会(1880年設置のスイス法人。戦時活動の指導助言にあたり,25人以内のスイス人で構成,本部ジュネーブ),赤十字社連盟(1919年結成。平時活動の中心組織で,赤十字条約に加盟する各国の赤十字社,イスラム圏では赤新月社で構成。本部はジュネーブで,2012年現在186ある)がある。そして4年に1回開かれる赤十字国際会議(1867年第1回)が国際赤十字運動の最高決定を行い,常置機関としては赤十字国際会議,赤十字国際委員会,赤十字社連盟各代表からなる委員会がジュネーブに置かれる。日本は1886年赤十字条約に加盟。赤十字国際委員会は1917年,1944年,1963年に,赤十字社連盟は1963年にノーベル平和賞。→日本赤十字社国際赤十字
→関連項目アジール青少年赤十字戦時禁制品バートンポンペ

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