赤木(読み)あかぎ

精選版 日本国語大辞典 「赤木」の意味・読み・例文・類語

あか‐ぎ【赤木】

〘名〙 (「あかき」とも)
トウダイグサ科の半落葉高木。熱帯アジアの山野に生え、沖縄には普通に見られる。高さ二〇メートル以上に達する。葉は三つの小葉からなる複葉で、赤く長い柄があり互生する。小葉は長さ一〇~二〇センチメートルの卵形、または楕円形で先がとがり、縁に鈍い鋸歯(きょし)がある。春、黄緑色の小花を円錐状につける。雌雄異株。材は暗赤色で堅く、湿気にも強いので、紫檀(したん)の代わりに細工物などに用いられる。あたん。かたんのき。
② 花櫚(かりん)、紫檀、梅、蘇芳(すおう)、赤樫(あかがし)、姫沙羅(ひめしゃら)など材質の赤い木。
※延喜式(927)二三太宰府〈略〉〈青砥二百顆、赤木南嶋所進、其数随得〉」
梁塵秘抄(1179頃)二「小磯の浜にこそ、紫檀あかぎは寄らずして、流れ来で」
※歌舞伎・船打込橋間白浪(鋳掛松)(1866)序幕「お家の重宝赤木の短刀を失し故」
④ 皮をはいだ木。⇔黒木
源氏(1001‐14頃)野分「中宮の御まへに、〈略〉色くさをつくして、よしある黒木、あかきのませをゆひまぜつつ」
⑤ 桑の一品種。葉は大形で、発育のよい中生、または晩生で各地に栽培。
植物かつら(桂)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕
⑦ 植物「ねじき(捩木)」の異名。
⑧ 植物「もっこく(木斛)」の異名。

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デジタル大辞泉 「赤木」の意味・読み・例文・類語

あか‐ぎ【赤木】

皮をはぎ取ったままの木。→黒木
材が赤い木。紫檀したん蘇芳すおう花梨かりんなど。
コミカンソウ科の常緑高木。熱帯に多く、高さは20メートル以上になる。葉は3枚の小葉からなる複葉。雌雄異株。冬、緑色の小花をつけ、翌冬赤褐色の実を結ぶ。赤く堅い材は紫檀の代用にする。かたん。

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日本歴史地名大系 「赤木」の解説

赤木
あかぎ

中世にみえ松浦まつら郡の地名。文暦二年(一二三五)九月二四日のいわひろの尼譲状案(有浦文書)に「あかき」とみえ、当地などを含む御厨清の遺領を清の妻と思われるいわひろの尼が子息に配分しているが、その境として「たゝらのやま、わらひを」「いちり」が記される。子息は廻(御厨太郎)・貞(御厨又五郎)・渟の三人と推定されるが、うち渟は年紀売のために建長六年(一二五四)四月一六日付で源渟所領近本名注文(同文書)を作成しており、それによれば、「赤木野」に麦畠(員数不明)があって地子は地頭方に納めるよう指示しているほか、「山内赤木野」ともみえる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「赤木」の解説

赤木 (アカギ・アカキ)

学名Bischofia javanica
植物。トウダイグサ科の常緑高木

赤木 (アカギ)

植物。イチイ科の常緑針葉高木,園芸植物,薬用植物。イチイの別称

赤木 (アカギ)

植物。ツツジ科の落葉小高木,園芸植物,薬用植物。ネジキの別称

赤木 (アカキ)

植物。バラ科の落葉高木,薬用植物。ウワミズザクラの別称

赤木 (アカギ)

植物。ツバキ科の落葉高木,園芸植物。ヒメシャラの別称

赤木 (アカギ)

植物。ツバキ科の常緑高木,園芸植物。モッコクの別称

赤木 (アカキ)

植物。藪肉桂または,木犀の古名

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世界大百科事典(旧版)内の赤木の言及

【直川[村]】より

…豊後と日向を結ぶ要路にあたり,現在も日豊本線,国道10号線が通る。中心は直川駅周辺の赤木。米作を中心に花卉栽培,養豚などが行われる。…

※「赤木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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