赤道海流(読み)せきどうかいりゅう(英語表記)Equatorial Current

精選版 日本国語大辞典 「赤道海流」の意味・読み・例文・類語

せきどう‐かいりゅう セキダウカイリウ【赤道海流】

〘名〙 赤道南北を西に向かって流れる、南赤道海流北赤道海流をいう。貿易風によって生じたもので、黒潮は北赤道海流一部が北上したもの。赤道流。〔日本風景論(1894)〕

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デジタル大辞泉 「赤道海流」の意味・読み・例文・類語

せきどう‐かいりゅう〔セキダウカイリウ〕【赤道海流】

赤道の南北両側を東から西に向かって流れる海流。北赤道海流南赤道海流があり、いずれも貿易風によって生じたもの。赤道流。→赤道反流

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤道海流」の意味・わかりやすい解説

赤道海流
せきどうかいりゅう
Equatorial Current

赤道海域の海流の総称。赤道海流系ともいう。太平洋、大西洋の赤道海域には北から順に、北赤道海流(西向き)、赤道反流(東向き)、南赤道海流(西向き)があり、さらに赤道直下の深度約100メートル付近には赤道潜流が東向きに流れている。赤道海流は貿易風の影響を強く受けている。

(1)北赤道海流 北太平洋、北大西洋時計回りの海水循環の一部分で、太平洋では北回帰線付近から赤道近くに位置し、メキシコ沖からフィリピンの西まで北太平洋を横断する。流速は0.5~1.0ノット。これの一分枝は北上し、フィリピン沖、台湾沖を経て黒潮に連なる。

(2)赤道反流 北赤道海流の南、北緯3度あたりと赤道あたりの間、赤道無風帯に位置する。赤道北側の北東貿易風と赤道南側の南東両貿易風のため、海水は西に吹き寄せられて海面は西のほうが高くなり、傾斜面を西から東に流れ下る、と考えられる。

(3)南赤道海流 太平洋では赤道のやや北から、南緯10度付近までの幅をもち、太平洋を東から西に横断する。

(4)赤道潜流 赤道直下100メートルぐらいの深さを、太平洋、大西洋を東西にほぼ横断する幅の狭い強流。

(5)インド洋の赤道海流系 季節風に対応して冬と夏とではまったく様相を異にする。北半球の冬には、北赤道海流、南赤道海流、その間に赤道反流がある。北半球の夏には東向きの季節風海流が卓越し、その南に南赤道海流があり、赤道反流は明瞭(めいりょう)ではない。南赤道海流はマダガスカル島北端をかすめ、アフリカ東海岸沖を北上して、この時季には北向きに流れているソマリ海流に連なる。

[半澤正男・高野健三]

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