足守(読み)あしもり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「足守」の意味・わかりやすい解説

足守
あしもり

岡山市北区西部の地区。旧足守町。1184年(元暦1)に京都神護(じんご)寺の荘園(しょうえん)となる。『足守荘絵図(紙本墨書寺領絵図足守庄図(しほんぼくしょじりょうえずあしもりのしょうず))』は国の重要文化財。近世豊臣(とよとみ)氏の一族木下氏2万5000石の陣屋町となった。足守藩侍屋敷遺構(県重要文化財)や藩主庭園の近水(おみず)園(県名勝)が残り、1990年(平成2)には県の町並み保存地区にも指定された。歌人木下利玄(りげん)の生家がある。中心集落の足守は足守川の谷口集落で、やや上流大井市場町としてにぎわった。国道429号が通じる。

[由比浜省吾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「足守」の意味・わかりやすい解説

足守
あしもり

岡山県南部,岡山市西部の旧町域。吉備高原に発する足守川がこの地で岡山平野に出て南流,児島湾に注ぐ。 1971年岡山市に編入。かつて後白河院領であったが,のちに神護寺に寄進された。この神護寺時代の嘉応1 (1169) 年作成の『足守荘絵図』 (国指定重要文化財) が現存する。江戸時代には足守藩2万 5000石として木下氏が支配。明治4 (1871) 年の廃藩置県で足守県となった。産業は農業を主としており,メロンゴボウマツタケなどを産する。木下利玄 (藩主の子孫) ,緒方洪庵生地で,近水園 (おみずえん) は名園として知られる。

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