精選版 日本国語大辞典 「踏込」の意味・読み・例文・類語
ふみ‐こ・む【踏込】
[1] 〘自マ五(四)〙
① 踏んで落ち込む。
※大鏡(12C前)二「南のつらのいとあしき泥をふみこみて候つれば」
② 足を踏み出して勢いよく前へ進む。
③ 足を踏み出して中へはいる。進んで行ってある場所にはいる。また、物事に深くはいり込む。〔羅葡日辞書(1595)〕
④ 無断ではいり込む。強引にはいり込む。
※評判記・色道大鏡(1678)四「たとひなじみの人これへふみこみ給とも」
⑤ 境界を越えてはいり込む。
※さらばモスクワ愚連隊(1966)〈五木寛之〉一「お互い三十代にようやく踏みこんだばかりだった」
[2] 〘他マ五(四)〙
① 力を込めて踏む。踏んで押し込む。また、足を深く中へ入れる。
② 物事に自分の気持を一段と深入りさせる。また、物事を思い切ってする。
※政談(1727頃)三「下たる人、身をふみ込て可レ勤様決て無之事なれば」
③ そのままの状態で事をはこぶ。身なりなどをかまわないでいる。
※雑俳・柳多留‐初(1765)「春迄はふみこんで置女ぶり」
ふん‐ご・む【踏込】
(「ふみこむ(踏込)」の変化した語)
[1] 〘自マ四〙
① =ふみこむ(踏込)(一)①
※日葡辞書(1603‐04)「ドロニ fungomu(フンゴム)」
② =ふみこむ(踏込)(一)②
③ =ふみこむ(踏込)(一)④
④ 思い切ってする。気張ってする。
[2] 〘他マ四〙 =ふみこむ(踏込)(二)①
※俳諧・貝おほひ(1672)五番「消残る雪間や諸あしふんごんだ〈一友〉」
ふみ‐こみ【踏込】
〘名〙
① 足を前に踏み出すこと。また、物事に深くはいり込むこと。「踏み込みが足りない」
※咄本・一のもり(1775)三角「玄関が三角ふみこみへそばがら」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報