蹲踞・蹲居(読み)そんきょ

精選版 日本国語大辞典 「蹲踞・蹲居」の意味・読み・例文・類語

そん‐きょ【蹲踞・蹲居】

〘名〙
① うずくまること。しゃがむこと。そんこ。
古今著聞集(1254)二「僅に岩の上に蹲居して」 〔淮南子‐説山訓〕
② 貴人が通行する時、両膝を折ってうずくまり、頭を垂れて行なう礼。また、後世、貴人の面前を過ぎる時、膝を折って手をついて通ること。
吾妻鏡‐元暦二年(1185)六月七日「能員蹲踞内府之前
三国伝記(1407‐46頃か)一二「大王冥官獄卒等草の風になびくが如く蹲踞恭敬しき」
相撲剣道などの試合で、相手と向き合って礼をする時にとる姿勢の一つ。つま先立ちでかかとの上に腰をおろし、膝を開いて上体をただしたもの。片膝を床に着けることもある。

そん‐こ【蹲踞・蹲居】

〘名〙 (「こ」は「踞」の呉音) =そんきょ(蹲踞)
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)二「鳩槃荼鬼、土埵に蹲踞(ソンコ)(〈注〉シリウチカケ)せり
太平記(14C後)二七「如何か此の座には居候べきと蹲踞(ソンコ)したる体を見て」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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