躙出(読み)にじりだす

精選版 日本国語大辞典 「躙出」の意味・読み・例文・類語

にじり‐だ・す【躙出】

[1] 〘自サ五(四)〙 ひざでじりじりと前に出る。座ったまま動いて前に出る。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉一六漫ろに囲炉裏傍(ゐろりばた)を躪(ニジ)り出(ダ)すのを見て」
[2] 〘他サ五(四)〙
① 押しつけてすり動かすようにして出す。
疑惑(1913)〈近松秋江〉「箪笥をにじり出した跡だの」
泥中などから、ものを足でさぐって取り出す。
浮世草子好色万金丹(1694)三「平砂渺々として〈略〉水呑小壺(おつぼ)・煙盃(きせる)吸口など、あられぬものをにじり出す所に」

にじり‐・でる【躙出】

〘自ダ下一〙 座ったままで、すこしずつ出る。また、じわじわと出る。
※俳諧・大坂檀林桜千句(1678)第四「ふくさつくしや野路色色〈益翁〉 踞出るなたや出立の袖の月〈均朋〉」

にじり‐い・ず ‥いづ【躙出】

〘自ダ下二〙 すわったまま、ひざを地に押しつけるように動かして出る。
仮名草子・よだれかけ(1665)二「傀儡子にじりいで、居座高になりていはく」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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