デジタル大辞泉
「身を捨てる」の意味・読み・例文・類語
身を捨・てる
1 一身を犠牲にする。「―・てる覚悟で事に当たる」
2 出家する。
「―・てむも惜しかるまじき齢」〈源・若菜下〉
3 からだを投げ出す。ひれ伏すようにする。
「―・てて額をつき」〈更級〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
み【身】 を 捨(す)てる
① 一身を投げ出して顧みない。一身を犠牲にする。命を捨てる。身を失う。身をなきになす。
※観智院本三宝絵(984)上「賢しき人は身を捨て物の命をこそは救なれ」
② 世をのがれる。出家する。
※一条摂政集(961‐992頃)「みをすてて
こころのひとりたづぬればおもはぬ山もおもひやるかな」
③ 身を離れる。からだから離れる。
※
古今(905‐914)雑下・九七七「身をすててゆき
やしにけん思ふより外なる物は心なりけり〈
凡河内躬恒〉」
※
更級日記(1059頃)「あるかぎり見せ給へと、身をすてて額
(ぬか)をつき、祈り申すほどに」
※
今昔(1120頃か)二六「狐、身を弃
(すて)て迯といへども、只責に被責て、否不迯遁を」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報