軍産官複合体(読み)ぐんさんかんふくごうたい

世界大百科事典(旧版)内の軍産官複合体の言及

【軍拡】より

… 第3は,軍部や軍産(官)複合体などの,自己保存と自己肥大化の力学である。つまり第1の拮抗作用による軍備競争や,第2の帝国主義支配のための軍拡が直接の契機であるにしろ,そうした軍拡のレールがいったん敷かれると,もともとは軍拡の手段として強化された軍部や,軍拡に付随して生まれた軍産官複合体が,今度はその組織や既得権益そのものの維持・肥大を自己目的とし,その手段として対外的な軍拡競争や小国への軍事介入などを行うようになる。19世紀のドイツや日本,今日の多くの発展途上国など相対的後発国の場合のように,もともと国内構造のうえで影響力の大きかった軍人層が,軍備競争や戦争をとおして一段と国内での権力を強め,しだいに軍部の権力維持が自己目的化したという例もある。…

【軍縮】より


[軍産複合体と軍縮問題]
 その一つは,国際関係がどうかとは独立に軍拡や兵器開発を利益として推進する国内勢力が,外交・軍事政策に大きな影響力をもつような政治・経済構造である。アメリカその他の〈軍産複合体〉がそれであり,旧ソ連のように国家官僚機構にくり込まれている場合には〈軍産官複合体〉の形をとった。この集団は,主観的には愛国心や,時には世界平和への希求を動機としていることもあろうが,客観的には,軍拡や兵器開発によって経済的利益を得るような構造を支えている。…

※「軍産官複合体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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