軍用犬(読み)ぐんようけん

精選版 日本国語大辞典 「軍用犬」の意味・読み・例文・類語

ぐんよう‐けん【軍用犬】

〘名〙 軍事目的に使われる犬。捜索、通信、看護、弾薬運搬、人命救助など多方面に使う。軍犬

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デジタル大辞泉 「軍用犬」の意味・読み・例文・類語

ぐんよう‐けん【軍用犬】

軍隊で捜索・警戒連絡などに使われる犬。軍犬。
[類語]愛犬番犬忠犬猟犬飼い犬野良犬野犬警察犬盲導犬介助犬牧羊犬犬ころ狆ころわんわん子犬小犬小形犬中形犬大形犬猛犬狂犬畜犬名犬駄犬負け犬日本犬和犬洋犬聴導犬尨犬むくいぬ犬種

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「軍用犬」の意味・わかりやすい解説

軍用犬
ぐんようけん

軍事的目的のために用いられるイヌをいう。イヌの攻撃力を戦闘時に利用することは古代より認められ、紀元前490年の古代ギリシアで軍用犬が用いられていた。近代では、ドイツが、警察犬として用いられていたシェパード犬を第一次世界大戦に用いて以来、各国の注目するところとなり、第二次世界大戦時にも用いられた。軍用犬として用いられる犬種は、体格がよく、訓練性能がよければなんでもよいわけであるが、実際にはシェパード犬が多い。ほかにドーベルマンピンシャー、ジャイアントシュナウザー、エアデールテリアロットワイラーなども用いられた。

 軍用犬の役目伝令偵察、警戒、捜索などで、銃砲音響馴致(じゅんち)訓練などを加えた高等訓練を施し、任務につけていた。イギリスでもシェパード犬の性能のよさに着眼し、軍用犬として登用したが、ドイツ名のシェパードとよぶのをよしとせず、原産地のアルザス地方の名をとってアルサシアンと称した。このため、現在もなおシェパード犬にはアルサシアンの別名がある。

増井光子


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百科事典マイペディア 「軍用犬」の意味・わかりやすい解説

軍用犬【ぐんようけん】

軍事上の目的から育成訓練されたイヌをいう。その歴史は古いが,組織的な使用日露戦争のロシア軍が始まり。第1次大戦で大規模に使用され,現在でも国境警備その他に用いられる。鋭い嗅覚(きゅうかく),聴覚で危険を知らせたり,通信物の運搬などがおもな用途シェパード,エアデール・テリアコリードーベルマン・ピンシェルなどが用いられる。
→関連項目警察犬

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軍用犬」の意味・わかりやすい解説

軍用犬
ぐんようけん
army dog

軍事施設,国境などの警備や,伝令,捜査,運搬など軍事上の目的に訓練,使用されるイヌ。シェパードドーベルマン・ピンシェルが多く使われる。警備のための用法には,イヌが幅広く動けるように線を張って,線に通した環に鎖をつなぐ固定式と,歩哨が連行する移動式の2つがある。イヌの鋭い嗅覚を利用して追跡用にも用いられる。なお,アメリカでは麻薬物を嗅出すために,特別に訓練された軍用犬を使う場合もある。また地雷探知機に感知されにくい磁器製地雷の発見にも専用の軍用犬が使われる。

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世界大百科事典(旧版)内の軍用犬の言及

【イヌ(犬)】より

…(B)愛玩犬 チワワ,チン,ペキニーズ,マルチーズ,ポメラニアンプードル(イラスト),ダルメシアン(イラスト),ブルドッグ,チャウ・チャウなど。 以上のほか特殊な用途に応じて,警察犬(ジャーマンシェパード,ブラッドハウンドなど),軍用犬(ドーベルマン・ピンシェルなど),救助犬(セント・バーナードなど),闘犬(土佐闘犬など),盲導犬(ラブラドル・レトリーバーなど)と呼ぶこともある。
【習性と行動】
 飼われたイヌは飼主に服従し,命令に服するだけでなく進んで外敵を攻撃して飼主を守るが,これは飼主を自分が属する群れの上位者と見ているためである。…

※「軍用犬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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