軽軽(読み)カルガル

デジタル大辞泉 「軽軽」の意味・読み・例文・類語

かる‐がる【軽軽】

[副]
重い物をいかにも軽そうに動かすさま。「米俵軽軽(と)担ぐ」
たやすくやってのけるさま。楽々。容易に。「軽軽(と)勝つ」
気持ちがはればれとしているさま。「わだかまりもとけて軽軽(と)した気持ち」
[類語](1軽い軽量身軽軽快かろやかひらりライトひょいひょいひょいぴょんぴょんぴょんさっとさっさ身軽い簡捷かんしょうはしこいすばしこい素早い手早い敏速敏活迅速敏捷びんしょう手ばしこい手早速やか速い足早早足小走り機敏一瀉いっしゃ千里急ピッチ矢の如しはかばかしい目にも留まらぬてきぱきしゃきしゃききびきびずんずんクイックスピーディーハイペースちゃちゃとちゃちゃっととっととついとつっとつとすいとすっとぱっとすたすた/(2楽楽やすやす無造作易しいむざむざらく容易簡単容易たやすわけ無いくみし易い易易いい悠悠難無く苦もなくちょろい簡略簡易あっさり手っ取り早い易い手軽手軽い造作無い軽い生易しいイージー朝飯前楽勝お茶の子お茶の子さいさい河童かっぱたなごころを返す労せずして赤子の手をひねるお手の物事も無げ手も無く見す見すまんまと平易軽易安易物ともせずすんなりすいすい首尾良くちょいちょいちょちょいのちょい

けい‐けい【軽軽】

[副]考えや判断に慎重さが欠けているさま。かるがるしく。「軽軽にその是非を論ずることはできない」
[類語]軽軽しい軽はずみ軽率軽挙軽挙妄動軽薄馬鹿愚か愚かしい馬鹿らしい馬鹿馬鹿しい阿呆らしい下らない愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅はか浅薄せんぱく浮つく

かろ‐がろ【軽軽】

[副]かるがる」に同じ。
綿入わたいれ一枚の出で立ちさえ―とした快い感じを添える」〈漱石・趣味の遺伝〉

きょう‐きょう〔キヤウキヤウ〕【軽】

[形動ナリ]言動がかるがるしいさま。軽率。
「春宮の御弟おととの宮達は少し―にぞおはしましし」〈大鏡・兼家〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「軽軽」の意味・読み・例文・類語

かろがろ‐し・い【軽軽】

〘形口〙 かろがろし 〘形シク〙 非常に軽い感じである。重々しくない。堂々としていない。かるがるしい。⇔重々しい
思慮分別が十分でない。かるはずみである。軽率である。うわついている。軽薄である。
源氏(1001‐14頃)帚木「かろかろしくはひまぎれ立ち寄り給はんも〈略〉人のためもいとほしと、思しわづらふ」
平家(13C前)七「今又かろがろ敷其儀をあらたむるにあたはず」
身分が低いように見える。貫祿が足りない。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「中納言などは年若く、かろかろしきやうなれど」
③ 重苦しいところがなく、簡単なさまである。
(イ) 物事のやり方などが手軽である。軽く扱ったり、気軽に行動したりする。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「かりそめにもたはやすき物忌・方違の移ろひも、かろがろしきに」
(ロ) 簡素である。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)四「伊勢の社のかろがろ敷(しく)
④ 目方がきわめて軽い感じである。
※俳諧・誹諧之連歌(飛梅千句)(1540)第一「飛梅やかろかろしくも神の春 われもわれものからすうぐひす」
[語誌]「かるがるし」の母音交替形。両形の新古については不明。文献的には「かるがるし」の方が古い
かろがろし‐げ
〘形動〙
かろがろし‐さ
〘名〙

かるがる‐し・い【軽軽】

〘形口〙 かるがるし 〘形シク〙 非常に軽い感じである。重々しくない。また、堂々としていない。⇔重々しい
① 思慮分別が十分でない。かるはずみである。軽率である。また、うわついている。軽薄である。
書紀(720)舒明即位前(北野本訓)「軽(カルカルシク)(たやす)く来(ゆきさき)の国の政を言(い)ふものに非ず」
史記抄(1477)一五「軽易なるかるがるしいふるまいが多いものぢゃほどに」
② 身分が低いように見える。貫祿が足りない。また、堂々としていないで粗末なさまである。
※源氏(1001‐14頃)若紫「人がらもやむごとなく世に思はれ給へる人なれば、かるがるしき御有様をはしたなうおぼす」
③ 物事のやり方などが手軽である。軽く扱ったり、気軽に行動したりする。
※源氏(1001‐14頃)葵「故宮の、いとやむごとなくおぼし、時めかし給ひしものを、かるがるしう、おしなべたるさまにもてなすなるが、いとほしきこと」
[語誌]→「かろがろしい(軽軽)」の語誌。
かるがるし‐げ
〘形動〙
かるがるし‐さ
〘名〙

かる‐がる【軽軽】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① いかにも目方が軽そうに事を行なうさま。
※玉塵抄(1563)六「百斤のをもい者をかるかると手にあげて持たぞ」
② さり気なく自然な様子で事を行なうさま。
申楽談儀(1430)万事かかり也「かやうの能に、『いつかさてたづぬる人を』など、かるがるはやばやとうたふべし」
※小春(1900)〈国木田独歩〉五「『冬が過ぎればまた春になりますからねエ』と小山はさも軽々(カルガル)と答へた」
③ 気持などがはればれとしているさま。
※金(1926)〈宮嶋資夫〉四「茂は、口笛でも吹きたいような、軽々(カルガル)とした気持になって」

かろ‐がろ【軽軽】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① いかにも目方が軽そうに事を行なうさまを表わす語。かるがる。
太平記(14C後)二七「山伏長講小脇に挟で、三重に構たる桟敷を軽々(カロカロ)と飛越て」
② 程度が非常に軽いさまを表わす語。
仮名草子浮世物語(1665頃)一「養性いたしければ、思ひの外に疱(いも)、疹(はしか)かろがろといたしけり」

きょう‐きょう キャウキャウ【軽軽】

〘形動〙 言動がかるがるしいさま。軽薄。→けいけい(軽々)
※源氏(1001‐14頃)若菜上「さるは、いと、きゃうきゃうなりや。この、事のさまよ」
※栄花(1028‐92頃)楚王の夢「いときゃうきゃうなればなん、こまかなる事どもをば、え掟て仕うまつらずや」

けい‐けい【軽軽】

〘形動〙 かるがるしいさま。深く注意を払わないさま。副詞的に用いることも多い。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「貪財の字を軽軽に看過せさるはなし」 〔劉向‐関尹子書録〕

きょうきょう‐キャウキャウ‥【軽軽】

〘形シク〙 かるがるしい。かるはずみである。軽率である。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「軽軽」の読み・字形・画数・意味

【軽軽】けいけい

軽忽。

字通「軽」の項目を見る

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