輪島聞声(読み)わじま・もんじょう

朝日日本歴史人物事典 「輪島聞声」の解説

輪島聞声

没年:大正9.4.3(1920)
生年嘉永5.5.15(1852.7.2)
明治時代の浄土宗尼僧,教育者。松前藩福山(北海道松前郡)に生まれる。明治9(1876)年,浄土宗の僧福田行誡 について出家,東京の感応寺に住む。同12年,京都知恩院内の入信院に移り,浄土宗大学林に入学。同19年,浄土宗宗務に尼僧教育に関する意見書を提出。同21年,知恩院入信院に尼衆教場を創設,教場を内田貞恩尼に託し感応寺に移る。再び浄土宗会に普通女子教育の建白書を提出。翌年,東京芝増上寺に東京尼衆教場を開設,監督兼教授に就任する。同24年,浄土宗宗務所に普通女学校設立願を提出。翌年,野沢俊圀,茅根学順と共に東京小石川の伝通院に淑徳女学校を創設した。同36年,学校を浄土宗立とし監督に就任。早くから女性教育に着目し具体化した功績は大きい。<参考文献>常光浩然『明治の仏教者』

(岡村喜史)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「輪島聞声」の解説

輪島聞声 わじま-もんしょう

1852-1920 明治-大正時代の尼僧,教育者。
嘉永(かえい)5年5月15日生まれ。浄土宗。明治9年福田行誡(ぎょうかい)について得度。21年東京感応寺住職,翌年東京尼衆教場の監督兼教授。25年小石川伝通院内に淑徳女学校を創立し,女子教育につくした。大正9年4月3日死去。69歳。蝦夷地(北海道)福山出身。俗名はこと子。

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